ようやく涼しくなり、外出をしたり体を動かしたりするにはちょうどよい季節になって来ました。外で運動や読書などに励む方も
多いと思います。日本では三寒四温という言葉通り、暖かくなったと思ったら急に冷え込む日もあるこの時期。
気温差に体がついてゆけず、様々な体の不調を訴える人が多くなります。
最近はやたらと身体がだるい等症状を訴えてご来院される方が多数おられます。
暑い夏が終わり、秋に変わっていくこの時期、朝晩の冷え始めと昼間との気温差が激しくなっています。
夏の暑さで疲れきった身体はこの時期の季節の変わり目などで、
関節の痛み症状等を引き起こします。また、こうした時期は心臓への負担が増えたり、または脳への負担が
かかる事も実証されています。この事は医師の間でも「気象病」とも称され、研究では、天気と病気の関係が
動物実験から明らかになってきてもいます。この事を正しく理解し、体の変化に備えておきたいものですね。
季節の変わり目では腰や膝など関節の痛がひどくなる。この事実はすでに海外でも常識となってきており、
研究結果から天気と病気に関して、米国やドイツでは健康気象予報サービスというものがあります。
気象の変化をもとに、皆さんご存知の天気予報で同じように痛みへの警戒を数や程度で表示したりしています。
動物実験等では気温と気圧がそれぞれ下がったときに、心拍数と血圧が10%高まる事がわかっており、
ストレスがかかった際に出る「ノルアドレナリン」という物質の量も結果増えている事がわかってきました。
交感神経を切断した動物実験においては、気温や気圧が変化しても通常と変わらなくなった。
このことは交感神経の関係を示しており、交感神経の乱れが関わるとなれば、気管支喘息などの気管症状、
目などの緑内障症状、、精神に関わる精神疾患など、様々な病気が発症をも引き起こしやすくします。こうした病気も
季節の変わり目や特定の季節が発症の一因になる気象病といえるとの事です。(名古屋大佐藤准教授研究参考)。
では病気のリスクが高まるこの季節の変わり目をどう過ごせばいいのでしょうか?
こうした病気の発症を防ぐためには生活習慣の見直しがとても大切になってきます。
出来るだけストレスをため込まず、適度な運動を心掛け、規則正しい生活をする事で、気象病の予防だけでなく、
慢性症状の改善にも繋がります。また、天気の変化で上がりがちな血圧をコントコロールすることは、
脳梗塞や動脈硬化の予防にもなります。
気象病の予防の行き着くところは生活習慣病対策がとても大切になります。
季節の変わり目に気分を改め、健康生活に取り組みたいものですね。