みなさん最近筋膜リリースという言葉をテレビなどで一度くらいは聞いた事があると思います。
今日はその筋膜リリースについての話をさせて頂きます。
筋膜は、皮膚の表面に近い順に、浅筋膜、深筋膜、筋外膜から筋繊維1本1本を包み込む筋内膜など何層にも重なって構成されています。
かつては解剖の際にいかにきれいにはがし取るかが大事、といわば邪魔者扱いされていたようですが、最近は筋膜が筋繊維の奥まで入り込む
ことによって、筋肉のスムーズな動きや筋力の柔軟性に大きな影響を与えている事がわかり重要視されるようになりました。
全身に張り巡らされた筋膜は、前方、後方など合計6方向に繋がり合い、腕や脚、胴体の滑らかな動きをサポートしています。
しかし、悪い姿勢や偏った動作によって長い時間の負荷がかかり、筋膜の一部がよじてると、セーターの一部分をつまんだ時のように
そのよじれが全身のあちこち波及します。本来、動物は猫が伸びをしたり、足で体をかいたりするように、たとえ筋膜のよじてができて
いても自らの身体の動きで調整する働きを備えています。ただ、現代社会を生きる人間は学校や職場など自由に伸びをしたり、
脚を組みかえたりといった調整の働きが抑制されることがあります。そういった社会背景も筋膜のよじれの定着の一因になっています。
私たち専門家は患者の動きを観察したり、触診することでよじれがどこに起きているかをつきとめますが、セルフケアでは筋膜の方向に
沿った動きで全身を伸ばしていくと、自分のよじれが部分が実感出来ます。その動きを実感する為に必要なのが、筋膜の繋がりに沿った
4つの筋膜リリースです。肩甲骨周辺、腰、ふくらはぎ、など突っ張りを感じるのは人それぞれ異なりますが、動かした際にひっかかり
を感じるところこそが、筋膜のよじれポイントになります。そういったよじれポイントはゼラチンのように固まってゲル化している事が
あり、筋膜がよじれた部分では深筋膜や筋外膜のコラーゲンやエラスチンといった筋肉の繊維が一部に寄り集まり、基質が脱水して、
ゼラチンのような粘っこいゲル状の原因になっています。このゲル状になってしまった筋膜も90秒間、伸ばすことで
ほぐれてくるといわれています。その方法ややり方についてはまた次回に解説させて頂きたいと思います。