朝晩の寒暖差がきついこの時期、血圧管理にも気を配りたいものです。
心臓から送り出された血液が血管の壁を押す力を血圧と言います。
高血圧とは、その壁を押す力が一定以上に高い状態の事をいいます。
血圧にも「上」と「下」といわれる物がありますが、その違いは、収縮期血圧と拡張期血圧に分けられます。
収縮期血圧(「上の血圧」といわれる)とは、心臓が収縮して血液を送り出されている時の最も高い血圧をいいます。
また、拡張期血圧(「下の血圧」といわれる)とは、心臓に血液が戻ってきている時の最も低い血圧をいいます。
正常の範囲としてはっきりとした境界はありませんが、若い人では120/80mmHg(収縮期血圧/拡張期血圧)くらいです。
高血圧と言われる値は140/90mmHg以上の場合を高血圧としています。どちらか一方が上回っていても高血圧です。
高血圧
よく高血圧が怖いと言われますが、長年の調査などによって、血圧が高い人ほど心臓血管系の病気になりやすく、
しかも死亡率が高く、こうした傾向が140/90以上になると急に高まる事がはっきりしました。
この140/90を高血圧にしているのです。
厚生省の調査では約3.400万人が該当するので、人口の約4人に1人が高血圧といえます。
たかが高血圧と考えがちですが、放置すると心臓や血管、さらに他の臓器にも障害をきたし、
脳卒中・心筋梗塞・腎不全・心肥大などが起こりやすくなります。
高血圧による自覚症状はふつうはありません。症状がないからと放置していると大変なことになります。
高血圧は「サイレントキラー」、つまり沈黙の殺し屋と言われているのも、この点にあります。
原因はいろいろありますが、原因が明らかになっている場合を「二次性高血圧」と呼びます。
これは高血圧全体の10%未満にすぎず、原因が特定できない「本態性高血圧」がほとんどを占めています。
二次性の中には、腎臓への動脈が狭くなって起こる腎血管性高血圧や、ホルモンの過剰によっても起こるものなどがあり、
これらは原因を取り除く事で治療できます。
しかし、大部分は本態性高血圧で、多くの場合は一生付き合ってもらう事になります。
遺伝的なものと環境的なものが複雑に絡み合って発症し、高血圧が続きます。
環境的な因子として大切なのは、食塩・アルコール・肥満・運動不足などです。
遺伝的に高血圧になりやすい人でも、これらの原因となるものを取り除くように肥満の改善や適度な運動などを行う事が
出来れば、発症を遅らせたり、上がった血圧を下げる事が出来るのです。
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