寒い時期がまだまだ続きますが、みなさん冷え症でお悩みではありませんか?
冷え性は、「普通の人が寒さを感じないくらいの温度でも、全身や手足、下半身など体の一部や全身が冷えてつらい症状」とされています。
一般に体温を測って36℃未満の人を「低体温」と呼ぶことがありますが、冷え性は「体温が何度以下」、という考え方とはちがいます。
冷え性は女性に多い症状です。個人差はありますが、女性の半数から7割近い方が冷えをつらいと感じています。女性は男性に比べると、
熱を作り出す筋肉が少なく、皮膚の表面温度が低い、貧血や低血圧の人が多いことなどがその理由と考えられます。
また、月経の影響などで、腹部の血流が滞りやすいといったことも、女性に冷え性が多い理由として考えられます。
冷え性は女性に多い症状と考えられまていますが、男性でも冷え性に悩んでいる人はめずらしくありません。
ある調査では、男性でも約1割の方が冷え性を辛いと感じているようです 。ただ、男性の冷え性の原因としては、運動不足による筋肉の減少
やストレス過多、生活習慣病による動脈硬化などが関わっているケースが多くみられます。とくに高齢者では動脈硬化が進み、
血行が悪化した結果として冷え性が起こることも多い様です。
わたしたち人間の生命活動を維持する上で大切な働きをしている酵素の働きは37℃で最も高まります。内臓のある体の中心部の温度を
37℃に保つために、環境の変化に応じて体温を調節するわけですが、暑いときは四肢末端や皮膚表面近くにある血管を拡張させ、
血液の流れる量を増やすことで外気に向けて熱を逃がそうとします。それでも足りなければ、汗を出すことで熱を逃がします。
逆に寒いときは、四肢末端や皮膚表面などの血管を収縮させて熱の拡散を防ぎ、心臓や肝臓など重要な臓器が集まる体の中心部に
血液を集めて、体温を維持しようとします。そのため血液が行き渡りにくくなった手先や足先は、温度が下がるのです。
さらに寒いと、体がふるえますが、これは筋肉を動かすことで熱を作り出そうとする反応します。
冷え性は、いわゆる体質的な部分だけでなく、生活習慣のなかで冷えにさらされることの積み重ねが原因になることがあります。
「生活習慣病」という言葉がよく使われるようになって来ましたが、食事や運動など生活習慣を改善することで疾病の予防や治療に
役立つことがようやく認識されてきました。冷え性対策においても、いろいろな角度から日常生活を改善していくことが大切です。