みなさんは睡眠について正しい知識をご存じですか?
日本人は年々眠らなくなっていて、5人に1人が睡眠に何らかの問題を感じているとの報告があります(厚生労働省調査)
特に、30代~40代の働き盛り世代、女性にその傾向が顕著で、
1日の平均睡眠時間が6時未満の割合は増加傾向にあります。
その状況は諸外国と比べても最低レベルで、先進国では平均8時間以上が当たり前になってきています。
これには日本人持ち前の根性気質が関係しているのかもしれませんが・・・、
それ以上に仕事や人間関係のストレス、24時間明りがつく街、インターネットやSNSなど、
様々なマイナス要因があることは安易に考えられます。また、家事や子育てをしながら仕事もこなつ女性たちは
いっそう大変な思いをしていると思います。
昨年、「睡眠負債」という言葉が流行語になりました。睡眠は不足するものではなく、借金という返済すべきもの。
そして返済が遅れると、取り返すのが大変なリスクになるといわれています。
多くの研究がこのことを実証してきました。睡眠が足りないと脳は正常に働かず、本人も自覚がない程度の小さな
「居眠り(マイクロスリープ)」をするようになります。そのわずかな隙が交通事故などの原因にもなり、
生活習慣病をはじめとする疾患にもかかりやすくなり、死亡率をもあげています。
睡眠を削ってあくせく働く時代は終わり、世界のトップリーダー達は、
こぞって最適な睡眠時間を確保する生き方にシフトしてきています。
睡眠は、食事や運動と同じく意識してとることが当たり前の時代になってきました。
ではよい眠りとは、何でしょう?
睡眠中人は同じ状態で眠り続けることはありません。
・脳も身体も眠っている状態=ノンレム睡眠
・脳は起きていて身体が眠っている状態=レム睡眠
この2つを90~120分周期で明け方まで4、5回くり返します。(周期の幅は人によって異なりますが)
一番大事と考えられているのが、最初の90分のノンレム睡眠です。
その際にもたらされる効果として:
・成長ホルモンが分泌される
・脳のコンディションがよくなる
・自律神経が整う
体の形成・維持に必要なものばかりです。特に成長期のお子さんには欠かせないものだと考えられます。
寝つきが悪い、朝もスッキリ起きられないとお悩みの方、
スムーズに眠りに入るのに関係しているのは ”体温”だと知っていましたか?
人間の体温には深部体温と皮膚体温があります。
活動時、人間の体温は、深部体温が高く、皮膚体温は低くなっています。
しかし、眠る時は逆で、皮膚体温を上げ、手足の毛細血管から熱を逃がすことで、深部温度を下げています。
深部体温が下がって、皮膚体温との差が縮まる事で、人はスムーズに眠りにつくことができます。
方法としては:
・就寝前90分前に入浴をする(入浴で深部体温を上げ、下がる際に眠りにつくようにする)
・足湯で熱放散をする(毛細血管が足には巡らされています。入浴よりも素早く深部体温の熱放散がしやすい)
・環境を整える(外部の温湿度などの環境は体温調節にとってとても大切です。部屋全体の温湿度を整えるだけでなく、
寝具や寝間着、光や香りなども工夫してみるのも効果的です)
人生の3分の1を過ごす睡眠空間を整え、毎日の快適な睡眠ライフのために、眠り環境を作りましょう!